システム開発において、スケジュールの設定はプロジェクトの成功を左右する重要な要素ですが、そのスケジュールがどうやって決まるのか不透明なケースが多いのが現実です。
時には、適当に決められたかのようなスケジュールが提示され、理不尽に感じることも少なくありません。
本記事では、システム開発のスケジュールがなぜ根拠に乏しいことがあるのか、その背景にある業界特有の問題や文化を探ります。
適当?理不尽?システム開発のスケジュールは見積を根拠に決めることが多い
まずは以下の記事をご覧になっていない方は是非ご覧ください。
システム開発の見積において「どれくらいの作業時間がかかるか」は適当です。
過去の実績から似たようなものを探して参考にするくらいはしますが、正確ではありません。
料理を作るときは、過去にかかった時間がわかれば、次回かかる時間って大体わかりますよね。
家を建てるときも、過去にかかった時間がわかれば、次回かかる時間って大体わかりますよね。
でも、プログラムはわかりません。同じプログラムをまた作ることはほぼないからです。
しかし、適当な見積もり時に算出した適当な工数をベースにスケジュールを立てるのことが一般的なのです。
適当?理不尽?システム開発で見積を根拠にしてスケジュールを作成するときの実態
なんとなくで「16時間かかる作業」と決めた見積もりがあるとします。
1日8時間フルで作業する前提で2日間で仕上げるスケジュールにすることもあります。
何か別の作業があったり想定外の突発的な作業を見込んで、1日5,6時間しか作業できない前提にしてしまって、3日間で仕上げるスケジュールにすることもあります。
また、作業者には1日半で仕上げるスケジュールにしておいて、残りは利益としたり、半日なら遅れても大丈夫なようにしておくこともあります。
作業者が大変なだけで、結局残業でカバーしたりすることになるんですけどね。
作業者のスキルによって見積した時間から、作業時間を増減させる場合もあります。
できない人は作業時間を増やしたり、できる人は作業時間を減らされたりするということです。
もう何を基準に見積もりをしたのか謎ですよね。
どれが採用されるのかは会社やプロジェクトによってさまざまですが、適当な見積もり時間をベースに適当なスケジュールを立てるのが当たり前すぎて、もはや疑問にも思われていません。
適当?理不尽?システム開発でエンジニアが使える魔法。スケジュールの徳政令、その名は「リスケ」
根拠があるにしろないにしろ、計画されたスケジュールは厳守しなければなりません。
守れない場合は、残業や休出でカバーします。
もしくは、できるエンジニアにフォローしてもらいます。
ITエンジニアの残業が多い原因はこの適当なスケジュールに振り回されているせいであることも多いですが、必死で「適当なスケジュール」を厳守しようとエンジニアは奮闘します。
でも実はスケジュールは簡単に変更されるんです。
リスケによって。
リスケとはRe Scheduleの略で、もう一度スケジューリングしなおすという意味です。
予定があわなくなったから別日にしようとか、そんな甘いものではありません。
「徳政令」というのをご存じでしょうか?
昔にあった、発令されると全ての借金がチャラにというなんとも羨ましい政策です。
「リスケ」はそれに似ています。
リスケは「遅れているスケジュールをチャラにする」という魔法なのです。
取り返しのつかない遅れが発生した場合に、「スケジュールの予定終了日を先延ばしにしてごまかす」ということです。
4/3に終了予定のスケジュールで現在が4/5の場合、2日遅れということなります。このときに終了予定日の4/3を4/7に変更してしまうのです。
すると、あら不思議!
「2日遅れている状態からあと2日で終わらせればOKの状況」に一変します。
すごいですね!
遅れがない見栄えの良いスケジュールになりましたね!
これで上層部やお客さんへの対策はバッチリです。
適当?理不尽?システム開発のスケジュールはスケジュール作成者の言い値
上司や先輩のうんざりする言葉ランキングで上位に食い込んでくるであろうものがあります。
「あとどれくらいでできる?」
進捗が遅れている人が聞かれることが多いですね。
質問した人が「3日くらいかな?」と思っていた場合に、「5日」と答えると「え?そんなにかかる?」となり、「1日」と答えると「本当に??そんな早く終わる?」となります。
つまり、結局スケジュールを作る人の「適当」なスケジュールにさせられるんですね。
それでいて終わらなかったら、「自分で決めたスケジュールなのになんで終わらないの?」ってなるんですから理不尽ですよね。
ごめんなさい、私もよくやってました(汗)
まとめ
見積もりもスケジュールも適当であることがわかりましたね。
さらに作業自体も適当なことが多いので(以下の記事参照)
そうなんです。システム開発、もう超適当なんです!!!!!!!!!
※すべてのシステム開発がそういうわけではありませんのでご了承ください。
ゲームの発売延期のニュースもたまに見かけますが、こういうことも原因かもしれませんね。
以上、最後までご覧いただきありがとうございました。